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マンション大規模修繕の「瑕疵(かし)保険」という保険をご存知でしょうか?
大規模修繕工事後に欠陥・不具合が見つかった場合に、役に立つのが瑕疵保険です。
施工完了後に瑕疵(欠陥・不具合)が発見されることは、決して少ないとは言えないようです。
事前に瑕疵保険へ加入することで、万が一再修繕が必要な場合でも費用が保証されます。
本記事では、「何のために加入するのか?」、「どんなメリットがあるのか?」など、大規模修繕で瑕疵保険に加入するかどうか判断するポイントをご紹介します。
マンション大規模修繕の瑕疵保険とは

マンション大規模修繕では、外壁や屋上、共用廊下、階段などの共用部に生じた劣化や損傷を中心に修繕工事を行っていきます。
施工完了後すぐに修繕箇所に欠陥・不具合が発生した場合、施工会社は再修繕する必要がありますが、その施工業者が万一倒産してしまった場合、マンション側が費用を負担する必要が生まれます。
このような事態に備えて加入する保険が「瑕疵保険」です。
瑕疵保険の仕組みを解説
それでは、実際にどのような仕組みになっているのか詳しく見てきましょう。
そもそも瑕疵保険とはマンション側が加入するものではなく、大規模修繕を行う施工業者に保険加入を依頼して、「施工業者」が保険加入の手続きを行います。
ですので、保険金の支払いの流れとしては、大規模修繕の完了後に瑕疵(欠陥・不具合)が発生した場合、「保険会社」から「施工業者」に保険金が支払われます。
そして、万が一施工業者が倒産してしまった場合には、マンション側から保険会社に直接保険金の支払い請求することで保険金が支払われます。
このように、瑕疵保険に加入するのは「施工業者」であり、基本的には保険会社から施工業者に保険金
がおりる仕組みです。
大規模修繕の瑕疵保険に加入するメリット4つ

ここまで「瑕疵保険」の仕組みについて説明しましたが、保険への加入にメリットがあるのかどうか明確にイメージがわかないという方もいるのではないでしょうか?
本項では、瑕疵保険への加入に実際どのようなメリットがあるのか紹介していきます。
①施工業者が倒産しても保険料が支払われる
まず大規模修繕を行うと、施工業者には「瑕疵担保責任」が発生します。
ですが、例えば倒産などによって施工業者が瑕疵担保責任を履行できない場合があります。
その場合に、瑕疵保険に加入していることで保険会社からマンション側に保険金が支払われ、別業者による再修繕も無料で行うことが可能になります。
②瑕疵が発生した場合の再修繕工事をスムーズに進められる
施工後に瑕疵(欠陥・不具合)が見つかった場合、施工業者は再修繕を無償で行う必要があります。
そのため、施工業者にとっては全くメリットがなく対応が後回しになる傾向があります。
本工事の着工に合わせて瑕疵保険に加入していれば、瑕疵に関わる再修繕費用が保険金として施工業者に支払われます。
その結果、施工業者は工事費用を自社で負担する必要がなくなることで、再修繕の工事をスムーズに進められるというメリットがあります。
③工事の品質が担保される
なぜ瑕疵保険の加入で品質が良くなるの?と思われる方もいるかもしれませんが、瑕疵保険に加入した場合、保険会社による専門の検査員によって、工事前の「事前検査」と、工事完了後の「確認検査」が実施されます。
検査の理由としては、保険会社もできるだけ瑕疵工事が発生しないことに越したことはないからです。
施工会社側としても、第三者的な立場から修繕箇所の状況と工事の品質を検査されるので、工事の手抜きができなくなり修繕工事の品質が担保されます。
その結果、再修繕工事や補償にまつわるトラブルも回避できるので、工事が一定の品質で適正に行われるメリットはとても大きいです。
④マンション側の金銭的負担がない
瑕疵保険は施工業者が加入するものなので、マンション側に金銭的な負担はありません。
もちろん、施工業者が保険に加入する場合の保険料が負担される可能性もありますが、保険料はそこまで高額ではありません。
加入することで上記のようなメリットを享受でき、マンション側・施工業者の両者にとってもトラブルを避ける存在となるため、瑕疵保険への加入はおすすめと言えるでしょう。
代表的な瑕疵保険会社
ここではあくまで一例ですが、瑕疵保険会社を取り上げています。
国土交通省が運営する「住宅瑕疵担保制度ポータルサイト」にて紹介されているものですので、信頼できる保険会社と言えるでしょう。
- ㈱住宅あんしん保証
- ハウスプラス住宅保証㈱
- ㈱日本住宅保証検査機構
- 住宅保証機構㈱
- ㈱ハウスシーメン
まとめ

本記事では、大規模修繕工事における瑕疵保険の概要、仕組み・メリットなどを解説しました。
マンション側にはメリットが多いため、施工業者に加入してもらうことを推奨します。
瑕疵保険に加入しない施工業者に修繕工事を依頼することで、工事の品質だけでなく、修繕後のトラブル、金銭的なリスクまでマンション側が背負うことになることをご理解いただけたかと思います。
大規模修繕工事を計画中、あるいはすでに準備を進めているマンション管理組合の方は、ぜひ本記事内で解説したポイントをご参考に、瑕疵保険の加入や選定をご検討いただければ幸いです。
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