※この記事はあくまで参考記事になります。必要な場合は必ず専門業者や施工担当に別途お問い合わせ下さい。

大規模修繕工事は頻繁にするものではないので、どのような流れで進めていけば良いのか心配している人もいるでしょう。実際、数十年に1回するのが一般的ですので、大規模修繕を控えている方は不安になるでしょう。

そこでこの記事では、大規模修繕工事の流れや注意点について詳しく解説していきます。この記事を読んでいただければ、スムーズに着工できるようになります。

大規模修繕工事の準備

大規模修繕工事で最も重要なのが準備の段階です。ここでは工事が着工するまでの流れを紹介していきます。

なお、大規模修繕工事は発注方法によって、流れが少し違う場合があります。ここでは一般的な流れを説明していきます。

体制づくり

大規模修繕工事を的確に行うためには、管理組合の中にしっかりとした体制を作らなければなりません。

大規模修繕工事は大掛かりな工事になるので、何年もかけて計画を立てていきます。理事会は様々な業務も行っているので、通常は「修繕委員会」が設置され、その組織が工事の内容を詰めていきます。もちろん、工事全体を左右する決定は理事会が行いますが、工事の内容や調査、説明会の実施、進捗の管理などはすべて修繕委員会の仕事です。

つまり、修繕委員会は工事の始まりから終わりまで、かなり深く関わっていくポジションです。そのため、修繕委員を選ぶ時は、建築関係に知識を持っている人や前回経験した人などに参加してもらうのが良いでしょう。

建物の診断

工事の進め方や発注方法などの方向性が決まれば、建物を診断します。

どこがどの程度傷んでいるのか、また緊急性の有無などを調べていきます。その際は目視で判断したり、必要があれば機械による精密調査を実施したりします。

建物診断は、大規模修繕工事の内容のベースとなる情報です。それを基に予算も決めていくので、正確でなければなりません。建物診断をする際は、専門の調査会社などに依頼をするようにしましょう。

資金計画を立てる

工事の内容が決まれば、次は工事のための資金計画を立てていきます。

毎月の修繕積立金で賄える場合は問題はないでしょう。しかし、オーバーしてしまっている場合は、予算の調整をしていかなければなりません。

もし、工事までに時間があるのであれば、修繕費積立金を上げるなどの手続きで調整できるでしょう。時間がない場合は、工事内容の見直しや融資を受けるなどの検討が必要です。

大規模修繕工事は長期的な視点が必要ですので、次回の工事のことも考えつつ決めていくようにしましょう。

施工会社の選定

工事の全体像が決まれば、施工会社を決めていきます。

一般的にはインターネットや専門誌などを利用して公募し、そこから書類選考で数社に絞っていきます。その際は、帝国データバンクの情報や会社のホームページを見て、経営状況や施工事例などを確認しておくとよいでしょう。

施工会社を数社に絞った後はプレゼンテーションの場を設けて、具体的な工事内容や住民へのケア、アフターフォローなど、工事の進め方や工事後の取り組みを知らせてもらいます。総合的に判断することで、工事だけでなくその後まで安心できるでしょう。

総会で決議

大規模修繕工事の概要が決まった後は、総会を開催して組合員の承認を得ます。

総会では、修繕工事の理由や工事の期間、費用、工事を施工する会社などを報告します。多くの組合員にスムーズに理解をしてもらうために、事前に掲示板や定期的な説明会などを実施しておくのがおすすめです。工事に向けた進捗を報告しておくことで、承認が得られやすくなります。

なお、正式に施工会社に対して工事を依頼するためには、総会で承認されなければなりません。つまり、総会の決議で承認されて、はじめて工事が具体的に動き出すといえるでしょう。

説明会の実施

総会で決議された後も、住民に対して説明会を実施して、協力を得やすい環境づくりをしていきます。

実際に工事が始まると足場が組まれたり作業員の出入りが激しくなったりして、生活に大きな影響を与えます。住民から十分に理解を得られていないとクレームが発生することも考えられるでしょう。また、工事中に事故が起こらないために、安全上の留意点や対策などの説明も必要です。

そのため工事の影響を最小限に抑えるためにも、施工会社などと協力して説明会を実施するのが一般的です。

大規模修繕工事の着工後

大規模修繕工事が着工された後にも、何点か大切なポイントがあります。

ここでは着工されてから完了するまでの流れと注意点について紹介していきます。

工事の着工

体制作りから総会決議、説明会の実施が終われば、ようやく工事が着工されます。

しかし、工事が着工されたら、後は何もしなくてよいわけではありません。工事の間は理事会や修繕委員会、施工会社などと定期的に打ち合わせが必要です。ここで工事の進捗や住民からの要望などの情報交換を行います。

工事が着工されれば安心してしまいますが、スムーズに工事が終わるためにも施工会社や住民とのコミュニケーションをしっかりと取り続けることが大切です。

工事の完了

工事が終われば、予定通りに工事が完了しているかどうか検査をしていきます。ここで問題があれば再度工事をしてもらい、問題がなければ理事会で確認をして書類にサインをして完了です。

なお、この時は図面や写真なども保管して、工事の内容を記録しておくようにしましょう。しっかりと情報を残しておくことで、アフターケアや以降の修繕補修などがしやすくなります。

まとめ

マンションの大規模修繕工事は、実施までにかなり時間がかかり準備が必要です。しかし、スケジュールやポイントを理解しておくことで、スムーズに実施できます。

この記事では「体制づくり」から「総会での承認」までの流れ、さらに工事の着工後について解説してきました。これから大規模修繕工事を控えているという人は、ぜひ参考にしてください。

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