※この記事はあくまで参考記事になります。必要な場合は必ず専門業者や施工担当に別途お問い合わせ下さい。

大規模修繕工事の時期が近づいてくると、費用が気になるのではないでしょうか。大きな費用が必要になるので、管理組合の人は費用を抑えるコツなどがあれば知りたいと思います。

そこでこの記事では、マンションの大規模修繕工事の費用を抑えるコツについて紹介していきます。費用を抑える方法を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

マンションの大規模修繕工事費用の相場

大規模修繕工事の費用を抑える方法を知るためには、事前に一般的にかかる費用、適正価格について知っておく必要があります。

国土交通省が調査して発表した「令和3年のマンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1戸当たりの費用の平均で多い順番は以下の通りです。

  1. 75万~100万 30.6%
  2. 100万~125万 24.7%
  3. 50万~75万 13.8%
  4. 125万~150万 9.6%
  5. ~25万 6.8%

パーセンテージが高い順に5つ紹介しましたが、75万から125万円の間で50%を超えることがわかります。これをベースにマンションの規模と費用の目安を表に現わすと以下の通りです。

マンションの規模(戸数)費用
10戸750万円~1,250万円
20戸1,500万円~2,500万円
30戸2,250万円~3,750万円
40戸3,000万円~5,000万円
50戸3,750万円~6,250万円
100戸7,500万円~12,500万円
300戸22,500万円~37,500万円

マンションによって条件や状況などが違うので、すべてのマンションがこの表の通りに当てはまるわけではありません。しかし、大規模修繕工事の費用について議論する際に、おおよその目安が分れば具体的に話を進めていきやすいでしょう。

また、実際に工事を発注する際に間違いが起こるリスクも小さくできるので、頭に入れておいてください。

大規模修繕工事の費用を抑えるポイント

大規模修繕工事にかかる費用の目安を紹介してきましたので、ここからは具体的にどのようにすれば費用を抑えられるのか紹介していきます。

管理会社に一括で依頼しない

大規模修繕工事を考えている人は、普段お世話になっている管理会社に一括で依頼しようと考えていませんか。安心できる選択肢ではありますが、費用の面からはおすすめはできません。

その理由は、管理会社は関連会社や提携している会社がある場合が多いので、競争原理が働かないまま決められるからです。ほとんど言い値で工事費用が決まってしまうので、高い費用が請求される可能性が高いでしょう。また、中間マージンなども大きく取る傾向があります。

施工業者を決める方法は、管理会社に任せる以外にもたくさんあります。例えば、管理組合が公募で施工会社を選ぶ方法ならば競争原理を働かせられるので、費用を抑えやすくなるでしょう。他にも様々な発注方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

施工会社を選ぶ際は、管理会社だけに任せるのではなく管理組合が意思決定をして選ぶようにしましょう。

建物の診断を行う

大規模修繕工事は12年に1回することが推奨されています。しかし、マンションによって修繕が必要な場所は違うので、どこがどの程度の修繕が必要なのかを事前に診断をして見極めることが必要です。そうすることで無駄な工事をなくせるので、費用を抑えることに繋がります。

特に、マンションのようにコンクリートの建物の場合は、目視だけでは確認できない不具合や劣化が考えられます。専門家による調査や試験結果から必要な修繕を1つ1つ的確にあぶり出していく事で、将来かかるであろう費用も抑えられるようになります。

複数の施工会社から見積もりを取る

管理組合が独自に施工会社を選べば費用を抑えやすくなりますが、その際は複数社から見積もりを取って比較するようにしましょう。可能であれば3~5社程度から見積もりを取ることをおすすめします。

見積もりを取る会社が多ければ、工事の項目ごとに比較する事で適正価格が分ってくるでしょう。もし、高過ぎる会社があれば発注候補から除外することができます。少し手間ではありますが、結果としてベストな修繕工事がしやすくなるので、たくさんの会社から見積もりを取るようにしてください。

なお、安すぎる会社は手抜き工事の恐れがあるので、高過ぎる会社と同様に除外することをおすすめします。

施工会社と内容を相談する

施工会社から工事内容を相談するのも、費用を節約する有効な方法の1つです。

例えば、外壁の工事をする場合、足場を組んで実施するのが一般的です。しかし、足場を組む作業は工事全体の約2割を占めるといわれています。もし、足場を設置しない工法が使えるのであれば、そちらの方が費用を抑えられるかもしれません。また、防水工事にも様々な素材や工法があるので、費用を抑える方法がある可能性も十分に考えられます。

工事の概要が分った時は、他にも工法がないかや費用を抑える方法はないかなど気になる点を質問してみると良いでしょう。そうすれば、より良い修繕工事ができるようになります。

大規模修繕工事の費用を抑える場合の注意点

大規模修繕工事の費用を抑えるコツについて紹介してきましたが、注意点もあります。それは、費用面にだけ着目しないことです。

例えば、ちょっとした補修程度で済むような工事がある場合、費用を抑えるために修繕を見送るという判断をしたくなるでしょう。しかし、適切なタイミングでメンテナンスをしておかないと、傷みがひどくなって将来より大きな費用がかかる可能性があります。

修繕を見送る場合は、緊急性や必要性などをしっかりと見極めて判断するようにしましょう。

まとめ

マンションの大規模修繕工事の費用を抑えるコツは、できるだけ競争原理を働かせることです。管理組合が直接施工会社を選んだり複数社から見積もりを取ったりするのが有効です。また、建物診断をしたり工事内容を施工会社と相談したりすれば、無駄のない工事が可能になります。

この記事では、工事費用のおおよその目安も紹介していますので、それを参考にしながらベストな方法を考えてみてください。

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