※この記事はあくまで参考記事になります。必要な場合は必ず専門業者や施工担当に別途お問い合わせ下さい。
目次
マンションでは毎月マンション住民から修繕積立金を徴収して、定期的におこなう大規模修繕工事の際に使用する資金として準備をしていきます。
修繕積立金は毎月マンション住民から徴収するため、どれくらいの金額を積み立てていけるかは予測が立てやすいのが特徴です。
しかし、いざ大規模修繕工事をする際には修繕積立金が不足してしまうケースは珍しくありません。
今回は修繕積立金が不足する原因と解消方法について紹介していくので参考にしてみてください。
修繕積立金が不足する原因について
修繕積立金が不足する原因はさまざまですが、大きく分けると以下の4点であることが多いです。
・修繕計画が正しく作られていない
・マンション販促策のために初期設定額が低い
・計画通りに徴収できていない
・修繕積立金からの支出が多い
それぞれの内容について説明していくのと併せて、どのようにすれば修繕積立金が不足する自体を解決できるかについての方法も紹介していきます。
原因① 修繕計画が正しく作られていない
修繕計画が正しく作られていないケースでは、現状の建物の状況把握が正確でないことや、今後必要となりそうな修繕工事などの想定が甘いことにより、最終的には準備していた修繕積立金では修繕費をまかないきれないパターンが多く見られます。
修繕積立金は修繕計画に沿って金額などが決定されることから、修繕計画が正しく作られていないと十分な修繕積立金を準備するのが難しくなります。
ある程度は修繕積立金は余裕を持っての徴収が必要です。
解決方法
解決方法としては、設備や規模などが似ている他のマンションの修繕計画などを参考にするなどにより、正しい修繕計画の作成をしてください。
自分たちで計画をどう立てればいいか分からない場合は、マンション管理士など外部コンサルタントに依頼してみるといいでしょう。
原因② 初期設定額が低く値上げをできていない
マンション販売会社としては1戸でも多く販売したい訳で、少しでも安く見せるために色々な販促策を打ち出します。
その一環で、修繕積立金の初期設定額が低く設定されているケースがあります。
その後、修繕計画に合わせて値上げ出来ていればいいのですが、多くの場合実現出来ていないため、修繕積立金の不足の原因となっています。
大規模修繕工事を計画通りにおこなうためには、修繕積立金の設定も然るべきタイミングで見直す必要があります。
解決方法
解決方法としては管理組合がマンション住民に修繕積立金の金額を上げることを説明して、目標額まで積み立てられるように計画してください。
将来的におこなう大規模修繕工事の重要性などについても説明して、値上げの必要性を理解してもらうことが大切です。
原因③ 計画通りに徴収できていない
計画通りに徴収できていないケースとしては、以下の2つのケースが考えられます。
・マンション住民が滞納している
・マンション全戸からの徴収を計算している
滞納者については、高齢者の割合が高くなる昨今、積立金の支払いや値上げに敏感な層が増え、想定通りに徴収出来ないケースが増えてきています。
マンション住民の中には、様々な事情から修繕積立金の支払いを拒む人もいるでしょう。
またマンション全戸で徴収額を計算していている場合ですが、全戸に住民が入っていないと計画通りには徴収できません。住民の出入りや空室問題は、管理組合側でコントロールできない外部要因でもあるため、全戸から徴収する算段でいることはリスクを伴います。
解決方法
まず滞納者がいるケースについての解決方法ですが、滞納者には修繕積立金の納金をしてもらうように促して、必要であればマンション住民の親族などに相談していきましょう。
もう1つのマンション全戸で計算しているケースですが、直近の入居率、転居率などを参考に、「安定してどれくらいの修繕積立金を徴収できるか」という考えのもと、計算を見直しましょう。
原因③ 修繕積立金からの支出が多い
マンション全体にかかっているコストの見直しを行うことが先決です。
無駄な外部委託や備品購入などで余計な支出が生まれていないかもう一度見直すことから始めましょう。
その上で、各設備のメンテナンスを依頼している会社の見積もりを見直したり、もう少し安く担当してもらえそうな会社を探すことも検討してみると良いでしょう。
まとめ
マンションの修繕積立金が不足する原因はさまざまですが、マンションでは大規模修繕工事が必要なためマンション住民が協力して資金を準備しなければいけません。
不足する原因には管理組合が原因になっているものや、マンション住民が原因になっているものなどもあります。
現在、修繕積立金が不足しているマンションの管理組合の方は、現状を整理して、どこに原因があるのか、どう防ぐのかを参考にしていただけると幸いです。大規模修繕工事の直前に、修繕積立金が足りず慌てることがないようにしっかりと備えましょう。
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